バッタの大群

こちらが私が研究しているバッタ。

体長約7cm。大型のバッタだ。












四の五の言わずにこちらをご覧いただきたい。

これは2003年に大発生したサバクトビバッタが首都のヌアクショットに飛来した時のものだ。同僚のシディが見せてくれた。
キラキラ光るのは全てこのサバクトビバッタだ。
信じられないが、現実だ。



当時、昼間だったのだが、バッタが到来したらあたりは暗くなり、緑という緑は全て食べつくされてしまったそうだ。


交通は完全にマヒ。




そんな状況で無理やり運転した車はエンジンがぶっこわれたりしたそうな。




原因はコレ。

車の隙間という隙間にバッタがダイブしてしまい、オーバーヒートしてしまったそうな。

若干見たことのないベンツっぽいトレンドマークがあることはさておいて。


研究所の車のフロントにはバッタが飛び込んでこないように網が貼られている。





自分にはこのバッタの大群にまつわる夢がある。
あれは、小学生の時に呼んだ学研の記事だった。


外国で起こったバッタの大発生を見学するためにツアーが組まれたそうな。


女性観光客がそのツアーに参加したところ、その人は緑色の服を着ていたため、バッタに群がられ、
服を食べられてしまったそうだ。


今だったら下着も食べられてしまったのかどうか気になるところだが、
当時はバッタのその貪欲な姿勢に恐怖を覚えたと共に、ある感情が芽生えた。



そう、


「自分もバッタに食べられたい」



その日以来、緑の服を着てバッタの群れの中に飛び込むのが夢になった。






あれから20数年間かけて、







夢を叶えるための準備が整った。



バッタ発生のメッカであるアフリカに来て、そして緑色の服も準備できた。

女性観光客を越えるために、パンツも緑色のを持ってきた。

あとはバッタが大発生するだけ。




ただ、



1人のはかない夢が叶う時、それは10億人もの人々が飢えに苦しむことになる時。




そして、自分は知っている。




そのはかない夢を叶えた後、10億人もの人々を飢えから救うことが次の夢になることを。



バッタ研究で新発見をすることは、目標であり、自分の使命と捉えている。


しかし、それは自分1人の力ではどうにもならない。



みなさんの支えが、いろんな面での支えが必要だ。


今もひしひしとみなさんからの支えを感じ、それが原動力となって研究できている。



研究に没頭できる機会を与えてくださった全てのものに感謝を忘れずに、