プロジェクトミーティング

これから2年間やることをパワーポイントで紹介することに。
研究者が7人集まり、立派な会議室でミーティング。
書記係もスタンバイ。

恥ずかしながら、初めての英語での発表のため、
しどろもどろになりながらとりあえずやりたいことを伝えようと準備した。

基本的に、バッタに関する知識は実験室内で行われてきたものがほとんどで、
野外でバッタを観察したものは少ない。

実験室では、温度や湿度等の環境条件が厳密に管理されているので、余計な要因を排除できるため
再現性のある結果が得られやすい。

一方、野外条件下では、環境はめまぐるしく変化し、様々な要因がバッタに影響する。

実験室で得られた知識が、必ずしも野外のバッタに当てはまるとは限らない。


莫大な量のバッタ研究が成されてきたにも関わらず、バッタが外で何をしているのか、謎なのだ。

今回の滞在では、サバクトビバッタを野外でひたすら観察して、彼らが砂漠でどうやって生き延び、そして大発生するのか、
その謎を解き明かすヒントを得ることを目標としている。


その思いのたけをぶつけてみた。
みんな真剣に聞いてくれていた。


発表終了後、二人の研究者からあれこれ質問をされる。

一通り質疑応答した後、オデコのひろいモハメッドさんが初めて挙手をし、
フランス語で何やら言っている。

背の高いモハメッドさんが、即座に通訳してくれた。

「彼は英語が分からないから、一枚目からフランス語で通訳して欲しかったんだよ」


どうやらあの真剣な眼差しは、何を言っているか分からなくて困っていた顔だったようだ。

それを皮切りに、他の研究者達もフランス語で、「そうだ、そうだ」的なことを言い、
自分以外、フランス語をしゃべりはじめ、やたら場が盛り上がる。
7人中、5人が英語ダメだった。

プレゼンテーションの基本である「相手に理解してもらうこと」ができなかった。

次回のミーティングからは、誰かが同時通訳しながらやろうということに。

もっと空気読まないとダメだ。

言葉の壁は予想以上に高い。