ワナ、wanna、罠

朝の5:30。
どうやらサソリにやられずに朝を迎えられた。


しかし、超不快感。全身しけってるのだ。

砂丘の上で寝たのだが、霧かしら?
靴下にいたってはチーズ蒸しパンのようにしっとりしており、靴も濡れている。
測定してみたら、湿度80%。

気持ち悪い靴下をはき直し、寝起き後、不快指数がMAXのまま辺りを散歩。



ゴミムシダマシ(以下、ゴミダマと呼ぶ)がまだ歩き回っている。
夜とは違って、ちょっと見慣れない行動をしているので観察してみると皆こぞって草についた水滴を飲んでいた。

コイツも。



アクロバティックな飲み方してるヤツも。

ハハァ〜ン。こーやって水分補給しているのか、と納得。
砂漠を生き延びる知恵を一つ発見したよ。



今回の調査では、ライトトラップの試運転の他にゴミダマも捕獲する目的があったのだ。
ゴミダマでもちょっとした研究はじめたんで、個体数が必要になったので。




昨日、仕掛けた落とし穴。

覗いてみると、

うん。落ちたね。

昨日のサソリが迷惑そうに縮こまっていた。



このタライは、実は300円する。貧乏な自分には高値の装置なので、たくさん準備するのは厳しい。


ということでペットボトルを再利用。


どらどら、

あ〜 残念なゴミダマ達が。
ペットボトルいいねぇ



他にも直接穴を掘ってトラップ仕掛けたんだけど、虫を回収するのがめんどくさい。
採れるから文句はないのだけど。



今回の収穫。

(朝からごめんなさい)
上出来ッス。




つか、砂上にいっぱい穴が空いているのだ。
どーせゴミダマが掘ったんだろと思っていたら、ちょうど一つの穴から砂が掻き出されていた。




何がいるんだろうと思いシャベルですくってみた。





エビですか?





ひっくり返してみる。


うん。サソリだね。

チビサソリだね。

じ〜〜〜〜っと動かないままキープ。
穴を掘り起こしても何も見つけられないのが続いていたのだけど、
サソリは体色が砂の色に似てるし、動かないので、たんに気づけなかっただけだったのかも。

賢いサソリ。サソリ賢い。



とりあえず、くたびれたので一か所に動かずにステイして、穴をじっくり見ていると、穴の中に隠れていたチビサソリが一斉に穴掘りに精をだし始めた。

それは、もう、せっせと。せっせと。。。


チビサソリたくさんいるんだね。


小さい穴だからって完全にナメてた。



「穴=サソリ」の方程式を頭に叩き込み、今後の調査に生かしたい。



そして、なんかのハサミ発見。

カニですか?

謎に包まれたサハラ砂漠のふところは深い。


掘った穴は全て元通りに。誰か落ちたらかわいそうだから。
優しさって大切だよね。


ティジャニが呆れた顔で見守る中、ゴミも全て持ち帰る。
んなことせんでもえーのにと思ってるだろうが、

ナチュラルがとても大切」と口癖の説明を繰り返す。



帰り支度をして、昨日ライトトラップの布を張るの手伝ってくれた人達が近くで放牧しているそうなので御礼がてら寄ってみた。


ヤギのミルクをごちそうしてくれた。


ここで、問題を解説しよう。
私ごとなのですが、人々から頂戴した水系の物を食すと毎回お腹壊すんすよ。
たとえ煮沸したものでも、お茶でも。
一週間お腹がくだって、辛い。
調査の度に腹が壊れていたので、不思議に思っていたのだけど、色々と解析した結果、「水」が原因であるとはじきだされました。

健康第一。
かといって人々の親切を無毛に断るわけにはいかない。


こんな時は、必殺飲むフリ。



大人になると嘘をつくのが上手になるってホントだね。。。



御礼を言って次の目的地へ。



実は、今回はもう一つ大がかりの罠を仕掛けていたのだ。


来る途中、小さな村に立ち寄り、チビっ子にある依頼しておいたのだ。


そう、



第二回毒バッタ買取キャンペーン



今回は前回の問題点を考慮し、
・大量の100ウギア札を準備。
・買取価格は前回の半額で暴動を避ける。(高価買取ではない)
・ビニール袋を渡しておき、且つ、中に餌を入れておくように。
・生きているバッタのみ買取の対象。



これなら時間もセーブできるし、大量に毒バッタを安上がりにゲットできるとふんでいました。
しかも、チビっ子たちもおこずかいを稼げてみんな(毒バッタ以外)ハッピーになると思っていました。




ところがどっこい、いざ村に来てみたら、待ち受けていたチビっ子が殺到しパニックに。。。。




我先に、我先に、、、、


奇声をあげ、車をたたき、車の荷台に乗り込み、石を投げ始め、エスカレートするチビっ子達の主張。



バッタが生きてるかどうかチェックする暇もなく、次々と買い取るしかなかった。


チビっ子のバッタ発見能力が本当に高い。
前回を上回る120匹のバッタが手に入った。
本当に感謝。
牛乳パックやペットボトルに入れて持って来てくれた子たちも。



記念にパシリ。



すぐに研究所に戻り、ウキウキでバッタを飼育ケージに移す。
これでやりたかった実験やれっぞーー♪



ん?







あれ?






あれあれ?



ことごとくバッタがグッタリしている。
(写真撮ったけど、せつなさすぎるから掲載は止めます。心が痛むから)




どしたーーー?
保管状態が悪かったのか、


あっぁぁぁ オレの、オレのバッタがぁ・・・ バッタが・・・・

半額で買い取ったはずなのに、生き残ったバッタは前回よりもはるかに高値になってしまった・・・


ごめんよ。毒バッタ。
毒バッタ。ごめんよ。



金で解決しようとしたのが間違っていた。
楽しようとしたのも間違っていた。


ワイが悪かった。ワイがアホやった。
かんにんやで。






遠くで流れる白い雲を眺め、自分の罠が犯した罪を悔い改めました。