1年経過

拝啓 皆様


本日で、モーリタニアに渡り一年が経過しました。
心境を語ると、「早っ」です。


文化や考え方が違っていることがあり、戸惑ったりもしたのですが、
楽しくやってます。


所長が超良い人なので、毎日のおしゃべりが楽しいです。


言葉の違いは問題でなくて、どうお互いに理解していくかが一緒に研究していくのに重要だと所長から学びました。


所長に教えてもろたんですが、
モーリタニアのことわざで「旅は勉強」というのがあるそうです。
旅をすれば、色んなことを見たり聞いたり体験できて、勉強になるから、旅に出ろ、という主旨だそうです。




気になる研究のほうなんだけど、
バッタの研究してるくせに、
全然バッタの写真がブログに出て来なくて不思議に思いませんでしたか?




正直言うけど、







バッタいなくなっちゃった



原因は干ばつ。

バッタのエサ、枯れちゃった。

恐ろしいことを言うけど、モーリタニアは昨年から大干ばつに見舞われております。
首都のヌアクショットに居て、5分以上雨降ったのは一年間でたったの3回でした。



去年、雨が降って緑が芽生えたのだけど、


後が続かず、砂漠の草が枯れてしまい、バッタがいなくなってしまいました。




シディナの指先にいるのは、

最後に見た野生のサバクトビバッタ






バッタ。



みんなに見せたくても、いないんだよ。



笑うでしょ。




笑ってよ。





笑ってくれよ。








フィールドワークしに来たのに、バッタいないんだよ。
スーパー役立たずな自分。


何十年ぶりの大干ばつが、よりによって自分に許された滞在期間の2年間にどストライクするとは。





去年の今頃は、各地でバッタが発生して、てんやわんやだったというのに。
なぜ故にこのタイミング?


2000年にドイツの研究チームがモーリタニアで大々的なプロジェクトを展開したときもバッタがいなくなってしまい、撤収したそうです。
撤収した3か月後に大発生して、戻ってこようとしたんだけど、政府が許してくれなかったそうな。


現在、リビアアルジェリアサバクトビバッタの群れが猛威を振るっているそうです。
FAOの今後の予想では、この夏にマリに群れが飛来するとのこと。
いずれの国も情勢が極めて不安定で手出しができない。


同じアフリカでバッタが発生しているというのに手出しができない悔しさ。
もうね、悔しすぐるので最終奥義を出すことにしました。


私の最終奥義は、、、、





「延長戦」



不戦敗は許さんよ。
ということで、早々に来年もモーリタニアに残る宣言をいたします。
こんな中途半端な形で終了させられんよ。
闘ってないんだもん。


石の上にも3年です。

(石っつーか、牛フンなんだけね。。。)




来年で海外学振の援助が切れてしまうため、まずは現実問題と勝負でございます。
研究予算を獲得せねばならぬ。


つか、私財を投入すれば来年一年間は生活できると思うし。
貯金なくなるわ、奨学金の借金もあるわ、無職になるわ。
うわー お先真っ暗(笑)






来年で帰ってくるの期待してた皆様ごめんなさい。
も少し待ってて。



ちょっとやりたいことあるんすよ。




バッタがいないという問題に、
バッタ研究者としてどう立ち向かっていくのか。


研究内容以前の問題で、笑ってしまうのだけど腕の見せ所だよね。
この逆境は男としてたまらなくね?
(つか、ネタ的にオイシイ)


この時間を利用して、まずは自身のレベルアップ。
フランスに修行しに行くのは、いずれ来る決戦の日に備えて。





そして、自分はバッタ博士であるのだけど、
小さい頃からファーブルに憧れて昆虫学者目指してたんすよ。

(交尾観察大好き)



バッタがいないんだったら・・・



ウフフ。



これから始まるショータイム。
私が今後どうやって生き延びていくのか、お楽しみくださいまし。

ラクダさんも興味津々だぜ)



PS
豪快に散ったときは、慰めの言葉はいりません。
どうかビールの一杯をわたくしめに恵んで下さい。




砂漠に残るバッタの想い出。

待つよ。


この翅が再び空を覆い尽くす日まで。