二人のバッタ博士が書いた本

ごめんなさい。いっぱい書いちゃった。



みなさんは世間一般の博士にどんなイメージを抱いていますか?



メガネ真面目でしょ。


ぢゃあ、バッタ博士である私にどんなイメージ抱いていますか?





知ってるよ。
変態でしょ?



読者の皆さんが私のブログを見てずっと思っていただろうことは、

「この人、本当に博士なの?」

だと思います。


うん。ちゃんと博士だよ。


たぶんね、




ちょっとだけ高い金払ってハロウィンを楽しんだり、







(著者:キン肉ドライバーの被験者)
おもむろにキン肉マンマッスルドッキングの練習したり





間違った格好で合コンに参加したり、
(ひのじの日記:しーなねこさん主催大合コンに行ってきました@目黒)
http://sleep83.blog114.fc2.com/blog-entry-238.html



私が格式高い博士らしいことしてないからですよね?


うん。間違ってないッス。
これがいつものバッタ博士ですが、もう1人のバッタ博士がいるのをご存知でしたか?




それは、昆虫学者としてのバッタ博士Koutaro Ould Maenoです。

この名を名乗る時、それは私がもう一人のバッタ博士として活動するときです。



私は、有名な先生の下で8年間修業を積まさせていただきました。
頭の中身は今も相変わらず残念なままなのですが、
先生の指導の下に研究に没頭したおかげでその研究活動は日本応用動物昆虫学会からお墨付きを頂戴しております。


今年度の学会誌の表紙をサバクトビバッタで飾らせていただいております。


信じがたいと思いますが、研究者としての自分はプライドの塊で、地味で、真面目で、内気な好青年なんです。


そんな、アホな博士と真面目な博士の二面性を持つ自分が本を書いたらどうなるか?
クマムシ博士の堀川さんが私の本の宣伝をしてくださっています。
むしブロ+
http://d.hatena.ne.jp/horikawad/



「何なのこの本?」「黒魔術的!」「禍々しい」「キてる」とかコメントもらっています。


目次読んでもらっただけなのに!



販売前から一大事
研究者としてはあるまじきことかもしれませんが、自分は論文や学術図書を読むよりも圧倒的にマンガとかテレビとか映画とか見てきたので、こんな目次になりました。



そして、この本は、「昆虫記」です。
学術書」や「小説」、「漫画」とは違う、ファーブル先生が築き上げた「昆虫記」という名の読み物です。自分が読みたいと思える昆虫記を作れたらいいなと思いやりたい放題してしまったので、各方面の方々にいっぱい怒られると思います。





お見苦しい一つの理由に目次がめっちゃある点が挙げられます。
自分でも数えるのがめんどくさくなるのですが、約130くらい。
338頁でこの数になったのには訳があります。


自分はまとまった時間がとれたときにしか本を読みたくないのですが、一日の内かならず作業の合間に2,3分空くじゃないですか。その短い時間(デッドタイム)でも一つのお話を読んでもらえることができたら、貴重な時間をセーブできて、いつも手元にこの本を置いていただけるのではないかと考えたからです。


「コーヒー1杯で1つの話を」を合言葉にしました。
もち、しばしば複雑な研究の話も出てくるのでどんぶりで何杯もおかわりしてもらわなければならないのですが。





とは言っても、やはり学術書のはしくれ。読むのは抵抗があると思います。


前に高校で教員をしている従妹の武兄さんにバッタの本を読んでもらったことがあったのですが、
「むずがしくて、なんもわがんねがった」と言われたことがありました。
学校の先生でもわかってもらえないのではこれはイカンと思いました。


研究者の言語は独特でトレーニングを積んだ人しか理解できず、自分もしばしばワケワカメな状態に陥ります。
それに私の両親も私がサバクトビバッタの研究をしていることは知っているのですが、何をしているかは理解してもらえていません。
やっぱね、知ってもらいたいわけです。研究内容までとは言わず、どんな思いで研究していたかは。


せば、何すればいいのか。


答えは簡単で、32歳の男子が日常で普通に使ってる言葉で本を書きました。


もちろん私も人の子なので罵声を浴びるのは辛いのですが、
若い内にしかかけない恥を思う存分にかき、自分にしか書けないものを書いてしまおうと。
迫害を受ける恐れもあったのですが、チャレンジさせてもらいました。
自分の中で歴史的な若さゆえの過ちになることでしょう。



実際の執筆活動について

多くの文豪はひなびた旅館にこもって執筆活動をしたと聞きます。


私も同じようなシチュエーションで執筆しました。
みんなとちょっとだけ違うのは、アフリカで本格的に孤独だったことだけです。
この本の執筆は精神を安定させるために欠かせないものでした。
この本を書いている間だけは自分が孤独であることを忘れられたので、本を完成させてしまうのがものすごくもったいなくて、あれもこれもと付け加えて遅延行為に及んだ結果、300頁を越えてしまいました。
お値段据え置きなので、出版社に申し訳ないです。
ただ、すげー本書くの楽しかったッス。







(群れたサバクトビバッタの幼虫)
んで、自分の研究対象を「黒い悪魔」と言うとは何事か!と不快に思う方も大勢いるかと思いますが、私にとってサバクトビバッタはまぎれもなく小悪魔なんです。


だって、彼らの虜にされて、アフリカにまでおびき寄せられたんだもん。
捨てれたッスよ。色んなモノを。
サバクトビバッタと一緒にいられるのは、それだけの価値があるから。







本文中で、絶対にとんでもないミスとか、やってはいけないミスとかやらかしてると思います。
それを全部ひっくるめてバッタ博士なのですが、一つお願いがあります。
どんなささいなミスであっても優しく指摘して欲しいのです。第二版で修正したいし、
きっと自分はアフリカでの生活とか、サバクトビバッタの話をまた本にする機会に恵まれることになると思うのでこの反省を生かして次につなげたいのです。




さて、一つヴィジュアル的な見どころを紹介しますと、この本で使ったイラストのほとんどは専属グラフィックデザイナーの前野拓郎氏に作成していただきました。

話に合わせて横向きと正面の顔を使い分けることができる贅沢さ!


えぇ、そうです。実弟です。
この他にも身内の特権を利用して他のデザイナーさんには依頼できないレベルのイラストを準備しました。



フィールドの生物学は同じデザインの表紙の色違いを代々使用しており、私の本は怪し過ぎるということで編集者の田志口さんが紫色をチョイスしてくださいました。
(我々も怪しいということは認識しております)




そして、とうとう本が完成したとの一報を受けました!

これをひっさげて昆虫大学での初売りセールに乗り込みたいと思います!
(飛行機落ちたり、延期しないでねー)


今回のブログは若干、売るどモードでごめんなさい。




昆虫大学学長のメレ子さんからツイッター上で執拗にアカハラを受けておりますが、彼女には別のハラスメントで応酬したいと思います。


そして、ご丁寧に講師として紹介してくださりました。
メレンゲが腐るほど恋したい
http://d.hatena.ne.jp/mereco/20121113/p1


開校目前で忙殺されているメレ子さんを励ますために私のブロマイド写真を送って励まそうとしたのですが、見とれて作業が手につかなかったそうで逆に邪魔をしてしまいました。
ごめんなさい。



そんな頑張り屋さんなメレ子さんからは無許可なのですが、御礼を兼ねてとあるものを持ち込みたいと思います。

昆虫大学の校章をまじまじと見つめるモーリタニアの職人。



なんだかは内緒ッス。 当日まで不安に脅えるがよい。



ということで30時間のフライトです。
どんだけ遠いのよ。アフリカ(笑)



それでは日本で!!!