1人ハロウィン

今日は年に一度のビックイベント「ハロウィン」

一年前からこの日に焦点をあて、実は準備してきていた。
朝から仮装すべきかどうか、みんなの挙動を伺ってみた。
みんなどんな仮装してくるのか楽しみにしていたら、普段となんら変わらない格好だった。

うん。とりあえず仕事なんだな。



いつでも仮装できるように、早めに実験を片づけて、どのタイミングでみんな仮装するのか様子を伺っていたら、
なぜかみんな昼過ぎに早退してしまった。。




えーーーーーーーーーーーーー?



停電が原因か?

とりあえず機を失ってしまった。



ちぇっ 




もんもんとしながら、デスクワークをこなしてみるが、ちっともはかどらない。
やっぱりやることやってからでないとダメだ。

ということで、一人ハロウィンすることに。




今年の仮装は、


「バッタ」
使われることが無かった巨大ケージにて。


ちょうど先日、緑色の女性の民族衣装をみつけて買っていたのだ。




ちょっと背中を露出すると脱皮気分も味わえる。




初年度ということもあり、わかりやすいので攻めてみたのだが、肝心のオーディエンスがいない。

品評しあうの楽しみにしていたのに。


とりあえず、虫たちにお披露目することに。
この格好で定期観測。


定期観測も終わってしまった。
普段はシャイなのだが、仮装すると不思議と気が大きくなり、みんなの反応を知りたくなってしまった。


ということで、カメラと三脚片手に外に繰り出す。






いつも玉ねぎを買うブティックのお母さんと娘が外にいて、自分をみて不思議そうな顔で笑っている。

一緒に写真撮ってもいいか聞くと、娘はいいよと言ってくれてるのだが、お母さんが、

「アンタ よしなさい。こんな得体のしれない男と一緒に撮影するのは」
的な感じで却下されてしまった。。。



しかたなく、さらに歩いてみると、前方にサッカーやってる少年たちが。

異変に気づき、サッカーそっちのけで集まってきた。


「みんなで一緒に記念撮影するべー」とお願いして三脚をセットして撮影しようとしたのだが、この方法は不可能だった。


一枚目。

いやいやー さみしいやん!

そして、どうした?少年!
少年は頭かかえて悩んでるし!
きっと思春期まっただ中なのだろう。



タイマーセットして撮影しようとしたのだが、ちびっこはカメラの画面に映る10カウントに夢中になってしまいレンズの前に立ってくれない。



3, 

2, 

1、


カシャリ。



「オォォォォ」

と歓声が起こる。


違うよ?主旨が違うよ?一緒に写真撮ろうよ、と懸命に説得してなんとか撮ろうとする。

2枚目。

そうそう。こんな感じ。
ただ、もうちょっと人員が欲しい。
20人ちかく集まっているので、全員で撮りたいのだが、もうみんな10カウントにくぎ付け。
なんとか彼らをレンズの前に立たせる術は無いか模索してみたものの、この写真がピークでした。




3枚目
10カウントを満喫した少年たちによるイタズラが始まる。

オレのカメラに顔が欠けるように映す機能はない!
新しい可能性を勝手に切り開かないでいただきたい。




4枚目

何よ?この霊的な写真は?おっかねぇ
そして左の黄色いTシャツの少年よ。
おまえ、左足で蹴ろうとしてるだろ?



このころになると自分の民族衣装が崩壊し、何度も上半身が露出してしまい、そのたびに少年たちが

「オォォォォ」


と叫び声をあげる。
よほど刺激がないんだろう。


色々と収集がつかなくなったので、諦め、もういいよ、どうもありがとうと御礼を伝えると、
少年たちは金銭とこのカメラを要求しはじめた。



スマン、それはできない、と深々と謝ると、不服に思った一部の少年が投石をはじめる。
一番大きい少年がやめるように言うが、自分が後ろを振り返るとまた投げ始め、右手にあたって流血。




お父さん、お母さん、

息子は異国の地で迫害にあっています。





あのね、正直言うけど、投石されるのコエーよ。

投げ方知らない少年達の投石でこれだから、
もし桑田が石ころもってカーブ投げてきたらそれはもう世の中の破滅を意味するくらいの脅威だと思う。


後ろを見せないように研究所まで無事に帰ると、ここで気づく。



アカン、、、 家鍵落とした・・・・



修羅場に再び戻り、鍵を探すが一向に見つからない。
投石の恐怖におびえながら、探すもまったくない。
ブティックの娘に鍵見つけたら教えてくれと頼んでノコノコと研究所に戻る。






所に住み着いている猫までもあらぬ角度で凝視してきた。

「あんさん、何してはりますの?」
巨大バッタがいきなり登場してこわかったんだろうな。





僕にはもう、帰るところが無い。

僕は、アフリカにきて何をしているんだろう・・・
これからどうやって生きていくんだろう。