フランス生活

背景 


皆様。こんにちは。
僕は元気でやっています。
正直に言うと、ちょっとバカンス気分でフレンチライフをエンジョイしようと企んでいたのですが、研究面において己の愚かさを知り、一から出直しているところです。
やらなくてはならないことがこんなにもあったのかと。
今まで目をつむって誤魔化してきた部分が今になってネックになってきました。
逃げてきた自分に喝です。

フランス滞在中の合言葉は
「チェンジ」
に決まりました。




フランスではCIRADという研究所でお世話になるので、何かお土産を持っていきたいところです。
そこで、モーリタニアで知り合った日本人の友達に聞いたところ、
モーリタニアでは実はカラスミが作られていることが発覚しました。
カラスミとは、ボラの卵巣を塩につけたり、天日干ししたりあれこれ手間暇かけて美味しくした高級珍味です。
ネットでみたら日本だと台湾産の高級カラスミが100gで5000円近くするのが
1kgで7000円くらいです。

つか、カラスミってそんな食ったことないからどうでもいいと思ってたんだけど、
その旨さに驚愕しました。。

マジで旨いのなんの。
毎食カラスミスパゲティ食ってました。

(ニンニクととうがらしを痛めつけてからキャベツを加え、コッテリとカラスミを加えました)


ヨーロッパ人、とくにイタリア人はカラスミ大好きということでこれはもうカラスミがお土産だろうということで4kg持っていくことに。

外国に持っていくためには書類が必要とのことで作りましたよ。ちゃんと。
んで、空港でどのタイミングで証明書を見せるのかわからないまま最終の荷物チェックのところまで進んだところで呼び出しを食らい小部屋に連れていかれました。
2人の男がフランス語でなんだか言ってきたのでカラスミのことだと思い証明書を見せたら証明書は3日間しか有効ではないと文句をつけられました。


「オマエ、このままだとカラスミ持っていけないよ」


と目の前にドンと置かれた荷物は、私のではありませんでした。
どうやらこの人達は勘違いをしているようです。


別に自分のカラスミでないからどうなろうと知ったこっちゃなかったのですが、
このままでは誰かがカラスミを失ってしまうと思い、
紳士な私は制限されたフランス語を駆使して闘うことにしました。


私「このカラスミはお土産でとても重要なんだ。持っていきたい。」

空港職員「書類が不備だからダメ」

私「イヤだ」

空港職員「ダメだ」


というやりとりを数回繰り返したところで、

私「頼む」

と言うと、待ってましたといわんばかりに、


空港職員「ウギア(モーリタニアの紙幣)を寄越せばいいよ」

と、いわゆるワイロをせびってきました。
あげればまた同じことを繰り返すからなるべくあげないほうがいいと聞いていたのですが、手持ちで1000ウギア(300円)準備していたのでコレでいいかと聞いたらそれでいいと。


ようやく誰かのカラスミが入ったバックがベルトコンベヤーを流れていきました。



そして、最終チェックの荷物検査は、外人はお洋服屋の試着室のような小部屋に通らされて尋問を受けます。
合計で4回これをくらっているので準備はできています。
「ウギアは持っていけないからここに置いて行け」
と必ず言われます。
見覚えのある職員がまた自分を担当してきました。


私「あなたが私を担当するのは3回目ですね。ウギア持ってないから」
と先制攻撃を食らわせたのですが、財布の中身を見せろ、と。
一ヶ月の滞在費のユーロが入っているわけなのですが、それを見て、


空港職員「友達だろ?くれ」

と言ってきました。素直です。


私「すみません。無理」




と断ったのですが、通ってもいいと言われました。

(エアーモロッコの飛行機に搭乗する風景)






ロッコカサブランカで乗り換えして、様々な難関を突破してフランスのマルセイユに辿り着き、そこからバスと電車でモンペリエに行きます。




あぁ なんてのどかな景色なんだろう。



電光掲示板に止まる駅名が出るのですが、モンペリエの文字がいつまでたってもみえません。
となりに座ってるお兄さんに聞いたら、モンペリエには止まらないそうです。





乗り間違えた。


30分ほど揺られてから気づきました。
電車に乗る前におばさんにモンペリエ行きだということを聞いたのですが、、、。


モンペリエ駅ではホームステイ先の方がお迎えしてくれるのに遅刻は必至。
自分は携帯電話を持っていなかったのでお兄さんにお願いして電話して遅刻する旨を伝えてもらいました。アビニョンとかいう終点からモンペリエは30分ほどらしく助かりました。

フランスのお兄さんったらすごい親切で、電話代を渡そうとしたらいらないとのこと。
代わりにカラスミを御礼に渡しました。好物だったらしく喜んでくださり良かったわ。



無事にモンペリエについたら受け入れ研究者のシリルが迎えに来てくれてホームステイ先の方に引き合わせてくださいました。
クラウディアさんの妹のジェンティさんが迎えにきてくれました。


そこからホームステイ先のアパートに向かったところ、クラウディアさんは美術家で絵画や彫刻を創作しており、ちょうど到着した日から個展を開くとのこと。

お家の中もすんごいオシャレなんすよ。個人宅なのでお見せいたしませんが、いたるところに彼女の作品があり、贅沢な気分満開中です。


クラウディアさんは英語はほとんど使わないそうなので、気合いでコミュニケーションをとっております。

(左がクラウディアさん、右がジェンティさん)

ジェンティさんは別のアパートに住んでいるので、今現在はクラウディアさんの息子と3人暮らしでござる。


PS
モーリタニアの隠れレストランで350mlの缶ビールは1000円で売られていたのですが、同じビールがフランスでは100円です。

今、ポテトチップスと一緒にビールを飲んでいるのですが、泣けてきます。
たまにでいいから好きなだけビール飲めるのはいいよね。