昔、バッタ研究所には2人の博士がいたそうな。
1人は無口な博士で、バッタのことを良く知っていたんだけど、
無口なのでみんなに博士のくせにバッタのことを何も知らないと思われて、バカにされていたそうな。
もう一人のおしゃべり博士は専門分野が化学でバッタのことなどほとんどわからないくせに、
会議ではいばりちらして偉そうにバッタについて語っていたので、みんなこちらの博士の言うことを信用していたそうな。
とある日、おしゃべり博士が、
「バッタが大発生するぞ、すぐに防除しにいかないと」
と警告してきたので、研究所は大慌てて準備をして現場に急行。
とこりが、現場に駆けつけてみればバッタはほとんどおらず、防除する必要がなかったそうな。
一度の防除にかかる費用は人件費からガソリン代からかなりかかるため、所長はカンカン。
せめてもの救いだったのは、無口な博士だけは、まずは自分の目で確かめてからどうするか決めると言って、
研究所よりも上の機関への報告を待つように連絡係にこっそり指示していたそうな。
もし上の機関に報告していたら、さらに莫大な費用がかかり、大迷惑をかけるところだったそうな。
しばらくして、またおしゃべり博士に踊らされて、研究所は大損害。
またもや無口な博士のおかげで研究所は大恥をかかずに済んだそうだ。
そこで、ようやくみんなが無口な博士のバッタ博士としての実力を認めることになった。
それから数年後、
無口な博士はあれよ、あれよと出世し、今では西アフリカを統括する指揮官になった。
おしゃべり博士はバッタ研究所から別の機関に移ったそうな。
今日、たまたまそのおしゃべり博士が研究所に来てて、ティジャニがこの話を教えてくれた。
なんだか絵本になりそうなお話なんだけど、実は深い問題が隠されている。
「バッタをあそこで見たよー」
と行って、そこに防除隊が駆け付けるまでにはタイムラグがある。
サバクトビバッタは一日に100kmも飛んで移動するそうなので、どっかに行っちゃってる可能性の方が高い。
いかにしてバッタの群れを追跡するのかはバッタ問題がかかえる重要な問題だ。
もしかしたら、おしゃべり博士は実際にバッタの大群を見ていたかもしれない。
運悪く、バッタの大群がどっかに行ってしまっていたら、、、こんなことになる。
バッタの群れがいつ、どこで、どうやって発生して、どこに行くのか予測する手段の開発が期待されている。
これまで解決されてこなかったこのような問題にも自分の研究成果を利用していけたらいいなと考えている。
そのためには、、、、
地道にバッタのことを理解する必要があるわけで、今日もバッタのことを考えております。
うおーーーーーー がんばるぞーーーーーーー
(注1:本文は、フランス語がまったく話せない筆者がティジャニのフランス語を訳したものであります。)
(注2:「・・そうな」や「・・そう」という表現はソース無しのまた聞きしたものであり、その信憑性があるのかどうかは筆者も知らないッス。)