砂漠が職場の33歳

自分、フジロックとかフェスとかに行ったことがないのですが、同年代の仲間と外でワイワイやるのは夢の一つです。フェスはキャンプしながら楽しむと聞きます。ごったがえす人ごみの中、陣地の目印をつくったり、目立つようにテントを個性的に飾ったりして。飯も食わねばならないし、ケガ人がでるかもしれません。


臨機応変な対応が求められるのが野外フェス。

モーリタニアにはフェス関係のイベントはないので、仕事の合間を縫っていつか参戦するであろうフェスに向けてトレーニングしています。今回は、その模様を一部紹介いたします。



移動

ふつーに車で移動します。



休息地

木陰で休みます。この日のMAXは43℃でした。



目印関係

木に服や布団を干しておくと見つけやすいです。
地平線の彼方からでも。



料理関係

みんなで輪になり徒党を組みます。




ヤギ肉を煮込んで、手づかみ。
右手前がパンです。







装飾関係

生肉を干す(保存食としても利用可能)




医療関係

サソリに刺されたら、(おっさんがセクシーすぎてごめん)







自然治癒に全てを委ねる(矢印の先のとろけた皮膚は昨夜サソリに刺された跡です)
(個人的にすね毛のローリングぶりに驚きを隠せませんでした)



あくまでも、仕事の一貫です。楽しんでるわけではござーません。



うん。
ところで、なぜ私がモーリタニアで野外調査してるかご存知でしょうか?

あらためて、胸の内を記させて頂きました。
プレジデントオンライン誌上で



史上最大の現場
http://president.jp/articles/-/10660
バッタ研究している無収入者がビジネス誌上で連載をする狂気の試みもおかげさまで最終回を迎えることになりました。


ジュンク堂池袋店でのトークショー後に編集者の石井さんに口説かれ、今回の企画が走ったのですが、引き受けた理由はすごく単純で、「この人と仕事をしてみたい」と思ったからです。



初めて会ったのに私のバッタ本を読み込んでおり、大切にしているツボを押さえてくれており、心を鷲掴みにされました。バッタパニック小説「蒼茫の大地、滅ぶ」を準備されていたのには完全にやられました。
この人はかっこいいと惚れると同時に、人と一緒に仕事をするとはどういうことか学びたいと。


駄文末筆っぷりを炸裂させて大変なご苦労をおかけしてしまいました。
こちらの事情で色んなことが重なり、7月中に8月分の毎週の連載を仕上げなければならず石井さんに相当負担をかけてしまいましたが乗り越えることができました。


そして、極めて個人的な研究の目的までプレジデントオンライン上でさらけ出す日を迎えたのであります。


今回の連載は石井さんのおかげでこの世に生まれたものです。
謹んで御礼申し上げます。

石井さんのおかげで装いも新たになったバッタ博士の次なる闘いは始まっています。





PS.
ウェブ上の記事の評価に関して
ツイート数、はてなブックマークの数などが「人気」に指標となります。
無収入のバッタ研究者がウェブ上で連載するというのはテストの意味も込められております。私の連載は今回で終わりですが、興味があり面白いと思った記事はツイートやはてブしてくださると、将来的により多くの研究者たちにもプレジデントオンライン誌に限らず連載のお声がかかりやすくなるはずです。出だしの試みがポスドクの私で心もとないのですが、読者のみなさまが、書き手をつくり、また読み物が増える流れです。ぜひぜひ、ツイートやはてブで拡散していってくださいませ。



最近のお気に入りですと、メレンゲが腐るほど虫好きなメレ子さんが素敵な虫連載を手がけております。
ときめき昆虫学 −メレ山メレ子
http://matogrosso.jp/konchuu/konchuu-06.html

(連載すると、他の連載が気になる。そして、メレ子さんのレベルの高さを知る。ちょっと彼女の文才と目の付けどころがすごくて彼女に足を向けて寝れません。添い寝するしか・・・)



最後にたくさんの温かいご声援をどうもありがとうございました。みなさまからの励みを力にかえ、今後もがんばっていきたいと思います。今までどうもありがとうございました。


モーリタニア国立サバクトビバッタ研究所
前野ウルド浩太郎