2週間 3千円生活 (修正版)

Whitman教授のメールがあまりにも刺激敵だったので、

「ごめんなさい。ガマンできませんでした」

と、思わず次の報告をまとめて送ってしまった・・・
ふぅ。ひと段落。



日本からの仕送りはVISAカードでATMから引き落とせばいいやと思っていたら、
キャッシングの上限の10万円分しか引き落とせないことが発覚。

仕方ないので銀行で口座を作って送金してもらうことに。

口座開くには住民票が必要なのだが、申請したら1週間で届くとの事。

一週間が過ぎ、

二週間が過ぎ、


え?まだできないんスカ(笑)?
お金がどんどん減っていく。
一週間過ぎた時点ですぐに届くと思って普通に使っていたら手持ちが3000円に。
このお金でしのがないといけないのか・・・。

いつ金が手に入るか分からない状態で、ティジャニに金が無いので節約して生活したい旨伝える。

自分に金が無いことを知ったティジャニは自分を見切るどころが、母上にお願いし、私に何回も食事を恵んでくれた(恥さらしですみません)。


成金時に大人買いしておいた、10円のマンゴー味の粉ジュースを水のペットボトルに入れて、シャーベットにして食べるのが1日の最大の贅沢。


朝飯はティジャニが準備し、昼飯は自分が準備する約束をしていた。
約束は破るためにあるが、一応どうしようか相談してみた。
ティジャニの説明によると、

「レストラン アラビック、 ワォ」
「レストラン アメリカ、 ワォ、ワォ」
「レストラン チャイナ、ワォワォワォワォワォワォワォワーォ」
「レストラン アフリカ、 ナイス」

(注:「ワォ」は値段を示すために編み出されたティジャニ語である。数が多いほど、高額を意味する)

との代案を提案してくれた。
モーリタニア料理だと思って通っていたレストランはどうやらアラビア料理屋だったらしい。

同じレストランに通い続けたらイエメン出身の兄さんと仲良くなった。

「ヘイ!マイフレンド、調子はどうだい?」

と気さくな兄さん。
通うたびにサービスが向上し、今ではヤギ肉の牛丼に、
チキンの丸焼きとポテトフライ、さらにスープとハーフのフランスパンがつくようになった。
そして、先日は大盛り無料権を獲得した。
とどまることを知らないモーリタニアンサービス精神。
このセットで300円。文句あるヤツぁ かかってこい!




さぁ それでは本邦初公開法のアフリカ料理を紹介していこう。
前回約束した、ダークフォース丸出しするというこのブログの主旨に沿って。



老婆が深い憎しみを込め、骨付き牛肉を煮込み続けた料理
「マロヤン」

ピリ辛で、ハヤシライス的な感じで超うまい!
骨のまわりのコラーゲンがプリプリ。
大人3人が腹いっぱい食べれる量がなんと300円!!


これはティジャニが値切ったからこそ、この値段が実現したのだ。
普通、外人だったら10倍とるそうだ(笑)
ティジャニは自称「値切りのスペシャリスト」で今日も女性の店員に


「キレイだね。目が潰れそうだよ」


と言って本日の最安値を獲得したそうだ。




続々とアフリカ料理いくッス。






孤独な老婆が深い悲しみに包まれながらタイとかぼちゃ、人参、キャベツ、米を痛めつけた料理
「チェブジェン」

通常はサバだが、この日はすでにサバが排除されていたらしく、タイが生贄に。
執拗に痛めつけられただけあって、味が良く染みており、
やめられない、とまらない。
ライム汁をポタリと垂らすと、なお旨し。
フフフ
お次はどこに垂らして欲しいんだい?







次の犠牲はヤギ。
幼女の唯一の友達であったヤギはその身を砕かれ、無残にも肉片と化し、夢と一緒に引きちぎられた野菜とともに焦げ尽きる手前まで火あぶりにされる。
そのなれの果てがこの、
「チェブヤン」





さらに見る影も無くミンチにされてしまったヤギが向かった先はトマトの血の池。
「ボロネーゼ」

唐辛子が入っているので、口の中が炎と化す。




そんな、、、




まさか、、、、



鳥までもが被害に?

閑静な住宅街の一角で八つ裂きにされた鳥が、皮をはぎとられた芋と一緒に色が変色するまで煮込まれた料理
「ア・・・ 」


フッ 名前などいちいち覚えてられんわ。
いや、決して名前忘れたわけではないんだからね。


んとね、たしか、アタジンだ。間違ってても責任は負いかねます。


いわゆるカレーですね。
これは、甘口とか中辛とか辛口とかのジャンルでなく、
まったく新しいジャンル、



「うす口」




ハウス食品さん、ビジネスチャンスがここにありますよ。
是非、日本でもうす口旋風を巻き起こしてください。


どいつもこいつもいい味をしてるぜ。
たまらない。


いや、アフリカ料理すんげー美味いよ。
ハズレがない。
全てヒット性の当たりです。


時間あるときに、老婆に料理を教えてもらうよ。
んで、日本に帰った時に、アフリカ料理パーティするべ。

これ読んで「このハカセ、ステキ」と思ってくれる女子が増えると見越してのアピールなのだが、
日本に帰る頃には、モテ期が終わってるんだろうな・・・
遠い地で、ムダに過ぎていくモテ期を傍観したいと思います。



そして、三週間が過ぎ・・・・・・・・





え?もう100%忘れてるでしょ。


所長さんになんか問題ないかと聞かれたから、住民票が未だにできない旨伝えると、
銀行のトップに直接手紙を書いてくださり、なんとか口座を開くことができた。
(海外に広く展開しているシティバンクで口座を開いた。)

そして、親に頼んで初の外国送金。
秋田銀行史上、初のモーリタニア送金だったのではなかろうか。

銀行の受付の方がすごく親切にしてくれたらしく、お礼にこのブログを教えたそうな。

知らないところで婚活が行われている。
(あ 受付の方、どうもありがとうございました。)


そして、昨日無事に送金されてきた。
開ける未来。
解き放たれる希望。



もうこの日は、朝からティジャニと、
「今日はもうスペシャルだぜ。金が入ったらめっちゃ買い物するぞ」
とテンションタカシ君。


銀行で小切手に600,000ウギアと記入する時ティジャニは

「これは人に見せたらマズイ」

的な感じでスクリーンプレイをしてコソコソしていたのに、
札束をもらった途端、窓口の脇で、堂々とお札を並べて数え始めた。

え?何?どっちなの?隠したいの?見せびらかしたいの?
謎だ・・・



ティジャニに未払いだった分の給料を上乗せして渡し、
欲しがってたインターネットのUSBを買ってあげて2人してもうウキウキ。
前からずっと欲しかったマヨネーズも買っちゃった♪

いやぁ お金のある生活は明るいね。なんでも買えるのって幸せだね。




夜は自分の家にティジャニとマリアンを招待してご馳走を食べた。

超美味かった(2週間分の食費の2000円を豪快に一食で消費してやった)
多めに買ってきて、ティジャニのママにもお裾分け。




この貧乏生活で一番嬉しかったのは、ティジャニが面倒みてくれたことだ。
何回も、金無くてひもじい思いさせてしまいごめんね、と言うと、


「いいかコタロー。ティジャニとコタローは友達。友達の間で金は問題ないんだ。

重要なことは、1番目にコタローとティジャニが良い関係であること、

2番目にコタローとティジャニがいっぱい研究すること、

そして3番目にお金だ。

たとえコタローにお金が無くてもティジャニが家に招待して、ママから料理してもらうからコタローは腹減る心配ないから。

そして、ティジャニにお金が無くて、コタローがお金いっぱいもってたらティジャニをアシストしてくれればいいから。

コタローとティジャニの間で金は問題ない。」

と言ってくれたことだ。


熱いよティジャニ。ティジャニ熱いよ。



そして、恐ろしいことに、2ヶ月ほぼ毎日一緒にいたら、辞書なしでまず会話できるようになってきた。
マリアンがうちらの会話見て、
「あなたたちの会話おかしいわよ」
と笑っていたので、ぶっ壊れているのだろうけど。
他の人とはほぼ会話できないんだけど、ティジャニ限定で会話が可能になってきた。
他のワーカーの人に何か伝えるときは、ティジャニが通訳してくれる。


うーむ。人間の適応能力は恐ろしい。



共通言語を持たないうちらが理解し合えているのが、



研究所の七不思議の一つになりつつある。