日本食のありがたみ

自分なりの最高の贅沢の瞬間は、めんつゆを舐める時だ。
1Lのめんつゆを持ってきたのだが、限られた資源で、とても貴重なので、
舐める時は、目をつむり、全神経を集中させて、本気をだしている。

持ってきたのは3倍濃縮のお得なタイプなのだが、こんな素晴らしいアイデアを誰が発明したんだろうか。
自分の中で、開発者は神に最も近い存在だ。


インスタントラーメンも持ってきている。
自分はラーメン食いに行ったら、まず味噌派だ。
たまに塩に走るときがあるが、醤油はほとんど食べていなかった。
こっちに持ってきた15袋は全て味噌味。


チビチビめんつゆを舐めていたら、
猛烈に醤油をガブ飲みしたくなってしまった。
一時の感情で、貴重なめんつゆを消費するのはなんとしてでも避けたかったので、
醤油味のインスタントラーメンを持ってこなかった己の愚かさを悔やんでいる。


精神的におかしくなりそうだったので、奥の手を出すことにした。



地震の時にたまたま買った醤油味のカップラーメンを一個だけ持ってきており、
我が家のご神体的存在だったのだが、とうとうガマンできずに手を出してしまった。


もうね、最初の一口でため息が漏れた。
あぁ うまい。
醤油をたっぷり飲むのがこんなにも幸せだとは思わなかった。



そういえば、ラーメン食べて、


「なんか懐かしい味がする」


と言うセリフが出てくるのは、もっぱら醤油味を食べたときで、
味噌味食べて、このセリフを吐いたことは無かった気がする。


離れて分かった、醤油の大切さ。
近くに居ると大切なものが見えないとはこのことだったのか。


ロッテが「醤油味」のガム出したら、海外で生活する日本人にバカ売れすると思うんだけどな。




2日経ったのだが、空のご神体からは相変わらずいい香りがする。


エステー化学が、醤油臭の芳香剤出したら、海外で生活する日本人にバカ売れすると思うんだけどな。



最近は、怪しい調味料に手を出して、醤油の代わりになるようなものを探している。