そして、ある者は己の力を誇示するため、
(パナマの原住民の村にて)
その体色を変える。
昆虫も同様に様々な体色変異を示す。
中には同じ種でありながら、その体色に多型が見られる。
バッタもその一例だ。
体色が違うのは一目瞭然なのだが、それをどうやって客観的に定量化して表現したらいいのか。
体色が異なるスコア(グレード)を使ってふるいわけするもよし。
ただし、このやり方だとどっちつかずの微妙な時は、決断力と勢いが必要になる。
数値化すれば、より客観性があって安心して定量化できる。
ただし、特別な装置や手法が必要となってくるため、お手頃にできない欠点がある。
今回は、比較的お手頃に体色を測定し、定量化する手法について紹介したい。
唐突にどうした?と皆様思われるかもしれないが、
理由はいたってシンプル。
メールでステキ女子から体色の測定法を相談されたからだ。
(はりきってカッコつけるぜーーー)
私が居た研究室ではPhotoshopを用いて、バッタの体色を定量化していた。
簡単に説明すると、
1. バッタをスキャナーで撮影する。
2. その画像を開いて、なげなわツール(輪ゴムみたいなアイコン)というもので、測定したい範囲をなぞる(胸部とか胸部とか頭部とか)。
3. ウインドウの中にあるヒストグラムで輝度を測定する。その中間値か平均値、どちらかをその体色の値とする(どっちを使っても同じ結果になる)。
その数値が高いと、「明るい」を意味し、逆に低いと「暗い」を意味する。
この方法では、色の違いは分からないが、明るさの違いを判定できる。
以前、この手法を駆使し、突然変異体の孵化幼虫の体色を定量化していた。
単独飼育(Isolated)したサバクトビバッタのメス成虫は、緑色の孵化幼虫を生産するが、集団飼育(Crowded)すると黒い孵化幼虫を生産する。
単独飼育下ではノーマルと突然変異体系統との間に孵化幼虫の体色の間に差はみられないが、
集団飼育下で生産された突然変異体の個体の体色は茶色で、黒色の個体に比べ輝度は高かった。