次の一手:網
金網の代わりが難しかった。
網目が細かすぎると強風のあおりを受け、ケージが耐え切れない。
そして、恐ろしいこと言うけど、バッタはしょぼいビニールやプラスチックの網はかじって穴を空けてしまう。
正確に言うと、食べようとする。
つか、食べる。
網っぽいものを見つけると触る日々が続いた。
来る日も、来る日も、網を捜し続けた。
網だけを捜しつづけた。
捜しつづけた。
探索中のテーマソングもできてしまった。
網へ
いつでも捜しているよ
どっかに君の 姿を
向かいのホーム
路地裏の窓
こんなとこにいるはずもないのに
捜しくたびれて、ベットに横たわり、何か良い材料がないものかとぼんやり考えていて、ふと目に映ったものの素晴らしさに思わず叫んでしまった。
せや。蚊帳や。蚊帳やったら、メッシュで素材も材質も原材料もなんぼでもあって、ワイのニーズに応えてくれるはずやで。
次の日、蚊帳屋から蚊帳購入。
そのまま使えるのだが、どうせならとことんこだわりたい。
ということで、限定モデルの開発に乗り出した。
街のミシン職人にデザインした蚊帳を別注し、まずはミシン職人の腕を確かめた。
誤差が10cm以内とその腕の確かさを確認できたので専属契約した。大量購入するから価格を抑えてくれるようにお願いし、お願いしてもらった。
材料は、厳選素材の網を使って。
網も作っては、問題点を直し、を繰り返した。
そして、ある法則を発見。
一日に2枚の網を注文すると、スペシャリストはあらぬミスを犯す。
寸法間違えたり、へんなところに補強物つけたり、裏表逆に補強物つけたり。
解決方法は、
一日一枚
スペシャリストがおじいさんなので、焦らせてはいけない。