没収

21時に無事に首都のヌアクショットに到着。
研究所のスタッフさん5人が「TOKYO / MAENO」と書かれたA4サイズの紙を掲げて出迎えてくれた。
心配していた荷物も迷子にならずに無事に到着。
スタッフさんに手伝ってもらって搬送しようとすると、出口で空港の警備6人に囲まれた。
「お金持ってるか?」と唐突に聞かれて、まだ現地の「ウギア」に両替してなかったので、「ないッス」と伝えたら、皆様総出で私のダンボールのガサ入れを始めました。

中身チェックするのはいいのだけど、ひっかきまわしてそのままにするのでグダグダに。

危険物の持ち込みはしていない自信があったので余裕ぶちかましてたら、

破裂しないように服でくるんでいた日本が誇るプレミアムモルツの缶ビールを見つけた警備員に
「これは何だ?」と聞かれたので、

「Japanese Beer」と発音に気をつけながら教えると、

「No beer」と怒られた。


イスラム教徒は酒を飲めないが、それ以外の人は飲んでもかまわないと聞いていたので、
遠路はるばる持ってきたのに。。。そんな、まさか。

続々と発見される缶ビール。
砂漠の真ん中でキンキンに冷えたビールを飲むのが夢だったのに。
奪われていく夢、希望、未来。

追い討ちをかけるようにパリの空港で買ったバーボンとパッソアのボトルも没収された。
販売員の方が、
モーリタニアには1人2本までなら持っていってもいいわよ」
と言ってくれたから、買ったのに。。。
免税されて安く買えたと喜んでたのに。。
空き瓶に砂漠の砂を入れようとしてたのに。。

「これはビールぢゃないから許して下さい」
と訴えるも、お酒は全て持ち込みダメだと却下。

「ビールを見せろ」とさらに警備員に言われたので、
英語でビールはビアーと発音するんだぜ、と教育的指導心を抱きながらビールを見せたら、

「ビールじゃない。ビルだ」

「ん?」

「ビル(Bill;請求書)」


あぁ!! パリで買ったときの請求書のことね。
この話の流れでビールとビルの区別つけるのはむずいよ。

結局、何かあると困るので正直にプレミアムモルツもエビスも10本提出しましたよ。
「醤油よりもビール」の精神で醤油1本しか持ってこなかったのに。。。

異国の地でバーボン片手に1人思いにふけるシチュエーションに憧れてたのに・・ うぅぅ

飛行機の中で隣に座ってたオランダ人の漁業関係者に酒のことを聞いたら、
モーリタニアでは売ってなさそうだと言っていたので、
もう、酒造法を編み出すしかなさそうだ。。
2年間の禁酒生活を余儀なくされるの巻き。


没収劇を観戦しておられた、研究所のスタッフは完全に呆れてました。